港湾でばら積みされた小麦を船から直接吸い上げて、サイロに送り込むことで、原料の品質保持が可能になります。吸い揚げられた小麦は、予備精選工程で不純物が取り除かれ、サイロに保管されます。サイロ内には、おおよそ15,000トンの小麦を保管することができます。
吸い揚げられた小麦は、砂や石など様々な異物を含んでいます。精選工程は、そのような異物を段階的に取り除く工程です。様々な機械を使い、小麦より大きな夾雑物、小さな夾雑物を、空気や比重の違いを利用して取り除きます。表面の汚れなどは、小麦同士の摩擦の力を利用して取り除きます。
調質工程では、精選された小麦の水分含有量や気温、湿度から加水量を決定し小麦を破砕するにあたって最適な条件にする工程です。
挽砕工程では調質の終わった小麦をロール機や篩機を用いて段階的に破砕、粉砕、篩分けする工程です。先ずは目の立ったロールで粗く挽きわり(破砕)、その後は様々な粒度、特徴を持った中間ストックを専用に調整されたロール機で最適な状態に粉砕します。ロール機で粉砕されたストックは篩機で篩にかけられ粒度別に振り分けられ、最も細かい篩を通ったものが製品となります。これらの粉はそれぞれの品質特性を調べ、希望する品質特性になるよう配合し再篩を経て製品となります。
包装工程では製造された小麦粉を最終篩にかけ小麦粉の充填や袋の供給は最新鋭の設備を用いて自動的に行っています。包装工程は最終製品に関わる工程のため、厳重な衛生管理が行われています。
品質管理部では小麦粉になったばかりの粉、包装した粉を過去のサンプルと比較し出荷します。品質管理データは製造部に伝えられ性質の異なった原料からでも同品質の小麦粉が生産できるよう管理しています。
二次加工試験では加工適性を調べるため、パン、麺、菓子用粉のそれぞれの製品を目的に応じた試験方法で、その小麦粉が使いやすく良い製品ができるかを判定しています。食品素材としての有用性はもちろん、焼き色、形状、食感などを繰り返しチェックすることも品質を追求するためのこだわりです。